東武動物公園、鉄道ファンのお宝ザクザク 駅への道にも

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伊藤悟
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 東京スカイツリー開業(2012年5月)にあわせ、伊勢崎線の一部区間の愛称が「東武スカイツリーライン」になった。最北駅が東武動物公園(埼玉県宮代町)だ。駅名でもある、遊園地と動物園が融合したレジャーランドはこの時期、イルミネーションを楽しむ恋人や親子連れでにぎわう。

 園内は、SL風のミニ電車が走り、子どもたちをお目当ての遊具まで運ぶ。終点には方向転換用の転車台や平日と土日祝日用の時刻表があり、鉄道ファンも楽しめる本格的なつくりだ。

 鉄道ファン垂涎(すいぜん)ものの「お宝」もあるらしい――。園の担当者にぶつけると、普段は入れないゾウとカバの寝部屋に案内された。よく見ると、柵やおりの素材がレールだ。園の建設時、使わなくなったレールを東武鉄道が提供したという。開園から30年以上経っても、ぐらつきも破損もない。「レールの頑丈さを熟知する鉄道会社ならではの知恵ですね」と動物園事業部の下康浩課長(56)。年に数回の「舞台裏見学会」などで見ることができる。

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 「お宝」は駅西口から公園までの道のりにもちりばめられている。駅階段を下りるとすぐ北側に、車両の進路を変える転轍(てんてつ)機(ポイント)のモニュメントが目に入る。その先には長さ1メートルほどのレールと枕木がある。

 群馬方面に向かう伊勢崎線と、栃木方面に向かう日光線の分岐として栄えた駅周辺には2004年までの約60年間、機関車や貨車の修理工場があった。当時の面影を残そうと今年2月、宮代町と都市再生機構などが整備した。東武動物公園駅前都市再生事務所の山崎龍二所長(56)は「モニュメントの転轍機はその象徴です」と話す。

 さらに南西の大通り沿いに進むと、町役場隣の「スキップ広場」に古ぼけたSLがたたずむ。1898年の英国製。1966年まで東武で使われた実車で、94年から広場に置かれ、いつでも運転席に乗ることができる。

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