村上春樹氏、創作は「1人カキフライ」 福島で語る

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守真弓
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 作家の村上春樹さんが、福島県郡山市で28、29日と開かれた文学イベントに参加した。国内のこうした催しで発言するのは珍しい。29日には約200人の前で、作家らと想像力との付き合い方を巡って約2時間語り合った。イベントの合間には地元の高校生と交流したという。

 この日、作家の古川日出男さんやレアード・ハントさん、翻訳者柴田元幸さんらとともに「サプライズゲスト」として登壇した村上さんは冒頭、「僕はカキフライの話をします」と切り出した。大好物なのに、妻が揚げ物嫌いのため「台所で1人で揚げる」と述べ、こう続けた。「1人で食べるカキフライはおいしいけど、寂しい。寂しいけどおいしい。孤独と自由の関係のように永遠に循環する。自分の中にある言葉を一つ一つすくうという作業は孤独な作業で、(小説を書くことは)1人カキフライに似ている。自分が小説を書いていると思うと頭が重くなるけど、カキフライを揚げているんだと思うと、楽になります」

 創作のきっかけについては、最初のシーンを思いつくことから始まることを明かし、「そのシーンが頭の中で半年ぐらい、タクシーで渋滞に巻き込まれてるみたいにぐるぐる回っている。それが半年くらいすると回り出す」と話した。

 トークセッションに先立ち…

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