お金がないなら手で描こう(小原篤のアニマゲ丼)

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 セルルック(見た目がセルアニメ)の3DCGは、いま注目の表現手法です。公開中の「劇場版 蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ- DC」では、美少女キャラの愛らしい表情だけで満足せず、ボディーの肉感的な表現という領域まで踏み込んでいます。いったいどこまで進化するんでしょうか。ちなみに、前回の本欄で取り上げた「花とアリス殺人事件」(20日公開)も、実写をトレースする「ロトスコープ」と並びこのセルルック3DCGを使っています。

 昨年11月に公開された「楽園追放 Expelled from Paradise」(DVD&ブルーレイ発売中)も、露出度のイヤに高いスーツを着た主人公アンジェラの豊かな表情が印象的でした。本作も「アルペジオ」も、見ている間「CGくささ」のような違和感をほとんど感じません。「楽園追放」の水島精二監督には劇場公開時にインタビューして制作の苦労などをうかがいましたが、映像制作を担当したスタジオ「グラフィニカ」の吉岡宏起執行役員が今月12日にCG-ARTS協会主催のセミナーで「CG表現のいま-劇場版アニメ『楽園追放』メイキング」と題し講演をするというので、聴きにいってみました。

 「楽園追放」は、廃虚と化した地球をほとんどの人類が捨てて電脳世界ディーヴァで電子データとして生きる西暦2400年の未来が舞台。地上からディーヴァにハッキング攻撃してきた謎の存在「フロンティアセッター」の正体を探るべく、すご腕捜査官アンジェラが生身の体を身にまとって地上に降下。少々荒っぽいエージェントのディンゴを助手として使いたどりついた真相は、「人類の夢」というべき壮大な計画だった、という物語。

 ミュージシャンとカウボーイ…

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