【松尾慈子】「サムライカアサン」で愛にあふれすぎるカアサンを描き、人気を集めた板羽皆。その続編「サムライカアサン+(プラス)」でもカアサン節は健在で、ほのぼのファミリーコメディーとしていい味を出し続けている。そして、本作はその路線を踏襲しつつも、ネコ漫画なのである。いや、ネコ漫画か?

 売れない漫画家・高畑寿々男はある日、歩道橋から落ちて死んでしまう。だが、次の命を決める「関所」の判断で、1年の期限付きで妻と娘のもとに戻り、家族の本当の心、自分の心を見つめ直せといわれる。ただし、ネコの姿で。

 う~ん、この設定どこかで見たことあるような。ちょっとだらしなかったりいい加減だったりする主人公が、一度は死んだけれど、幽霊などになって残された家族を見守るという物語。しかし、それが本作の場合、生まれ変わるのがネコということもあって、独特のほのぼのムードを醸し出している。

 まず描かれるのは、高畑のダメ…

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