究極目標「火星に移住」 はやぶさ2総責任者・国中均氏
打ち上げを目前に控え、「はやぶさ2」の総責任者、国中均プロジェクトマネジャー(JAXA教授)に、小惑星探査の意義について聞いた。
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――はやぶさ2のミッションの意義は。
初号機「はやぶさ」の技術を「はやぶさ2」で高度化させようとしている。人間の活動領域を宇宙の中で広げていく一環だと考えている。
単に人工衛星を打ち上げるだけではなくて、宇宙技術を駆使して探検できるようになってきた。いまはロボットを宇宙に送り込んで探検しているが、ゆくゆくは人間を宇宙に送り込もうと思っている。火星に人を送り込んで探検する、さらには火星に住む、第2の地球にする、ということが究極の目標だと思っている。
そこに至るまでには100年かかるかもしれない。すぐにはできないが、足がかりが小惑星探査だ。火星に出かけていくために高度な技術が必要で、どこかで洗練化させていく必要がある。宇宙での技術なので地球ではできない。技術を証明する場、鍛錬する場として小惑星はたいへん有望だ。
――はやぶさ2では、表面だけでなく地下鉱物の試料も持ち帰る計画だ。
地球の生物はもともとどこから発生したか、誕生したのか、実はまったくよくわかっていない。
仮説の範囲でしかないが、地球の中で生物が発生したのではなくて、宇宙から小惑星にアミノ酸といった有機物が隕石(いんせき)とともに降ってきて、それが地球の中で発達して生命になったという考え方がある。もっと過激なものでは、宇宙でDNAができあがっていて、DNAが直接地球に持ち込まれて生命になったという仮説さえある。
小惑星がサンプルを採取して有機物の痕跡があれば、仮説のいくつかを証明することができるかもしれない。
初号機はやぶさが行った小惑星イトカワは、持ち帰った粒子からは水と有機物はまったく検知することができなかった。非常に乾いた石だ。
はやぶさ2が目指している1…
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