「すべての子どもに保育を」 駒崎弘樹さんインタビュー

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 待機児童問題を解消しようと、「小規模保育」という新しい仕組みをつくったNPO法人フローレンス代表理事の駒崎弘樹さんに聞きました。

 ――小規模保育とはどういうものですか。良いところは。

 駒崎 通常、認可保育所は定員が20人以上いないと認可されません。小規模保育は、それより小さい6~19人の保育園で、対象は0~2歳です。低年齢児は保育士とのコミュニケーションがすごく重要です。小規模で少人数ですので、子どもを密に見られます。

 ――小規模保育をつくろうと思ったきっかけは。

 駒崎 たまたま、フローレンスの職員が結婚、出産を経て育休を取りました。1年たって仕事に戻ろうとしたら、保育園に空きがなくて戻れなくなってしまい、なんとかしたいと思ったことです。

 ――始めるにあたって、壁はありましたか。

 駒崎 はい。認可保育所をつくろうと思って役所に聞いたら、「定員が20人以上いないと認可しない」と言われました。そうすると20人以上の大規模な保育所をつくれる空き地や物件はかなり少なくて、結局できないなと思いました。ああそうか、これが待機児童問題の要因の一つなんだということに気付きました。

 「20人」にそもそも根拠があるのかなと思って厚労省に聞くと「昔からやっていたんです」という答えでした。あ、根拠はないなと。だとするならば9人でも10人でもいいはずだ、それなら空き家を使えばいい。東京には空き地は少ないけれど、一軒家やマンションなど空き物件はたくさんあります。そこを使って保育所ができたら、待機児童問題で悩み苦しんでいるエリアにピンポイントで開所できるのではないかと思いました。実際に子どもがいたら、親は何年も待てませんから、できるところからやろうということです。

 ――小規模保育を実際にやってみて、誤解されていると感じるところはありますか。

 駒崎 マンション保育みたいな感じで質が低いのではないかということはよく言われます。例えば、庭がないことに関しても、歩いて数分の距離に公園があるところにつくるのが基本で、毎日お散歩を兼ねて遊びに出かけるので、庭がないことはあまり問題にはなりません。

 あと、人員配置は認可保育所以上に手厚いです。認可保育所だと、保育士と0歳児は1人:3人、1~2歳児が1:6なのに対して、小規模保育はそれにプラス1人職員が多いんですね。だからだいたい1人で3人くらいを見るかたちで、非常に手厚いコミュニケーションができる。そういう意味では質が高いと言って差し支えないと思います。

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