夏目漱石「三四郎」(第五十六回)六の一

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 号鐘(ベル)が鳴って、講師は教室から出て行った。三四郎は印気(インキ)の着いた洋筆(ペン)を振って、帳面(ノート)を伏せようとした。すると隣りにいた与次郎が声を掛けた。

 「おいちょっと借せ。書き落した所がある」

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 与次郎は三四郎の帳面(ノー…

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