少女は金髪がお好き?(小原篤のアニマゲ丼)

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 時代はWヒロインです。大ヒットした「アナと雪の女王」の姉妹愛に続き、ディズニーの「マレフィセント」はアンジェリーナ・ジョリーの妖精マレフィセントとエル・ファニングのオーロラ姫の(疑似)母娘愛、そして19日公開のスタジオジブリ最新作「思い出のマーニー」では杏奈とマーニーが「あなたが好き!」「愛しているわ!」。もう、野郎の出番なんかありません。お呼びでない、ってことですね。

 「借りぐらしのアリエッティ」で監督デビューした米林宏昌監督が、ジブリ出身の先輩・安藤雅司さん(「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」「ももへの手紙」など)を作画監督に迎えて作り上げた「マーニー」は、正調ジブリスタイルにのっとりつつも、Wヒロインのまなざしやしぐさにツヤが乗って上品な色気を放っているところが新鮮です。純白のネグリジェにピンクのパーティードレスに水色や緑のワンピースと、様々なファッションを見せてあでやかな花のようなマーニー。対照的に、ボーイッシュでちょっと暗くて周囲に壁を作っていた杏奈は、マーニーに肩を抱かれてほおを染めたり、体をくっつけてボートのこぎ方を教わったり、月夜の庭園で一緒にダンスをしたりしていくうちに、心も表情もほぐれて生き生きしてきます。とりわけ印象的な美しい表情は、2人が抱き合った時の伏し目のマーニー。美少女アニメですなあ。

 それにしても皆さん、どんな映画だと想像して映画館に足を運んだんでしょう。「赤毛のアン」みたいな女の子の友情や成長を描く物語? それも間違いではありませんが、れっきとしたファンタジーで、最後はミステリー的なオチがつきますが、どういうファンタジーかを書こうとするとたちまちネタバレという厄介なシロモノです。だからこのコラムもここからネタバレで書きます。

 私は映画を見る前に原作(ジ…

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