百貨店の化粧品売り場を舞台に リメイク(六多いくみ)

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 【松尾慈子】なるべく内輪話はしないようにしていたこのコラムだが、今回ばかりは許して欲しい。当欄はこれまで東京本社のデスクが原稿チェックしていたのだが、このたび社内事情により、大阪のデスクがチェックすることになった。そのデスクというのが、大阪本社11階の男性社員の中でも一、二を争う男前(ただし既婚者)なのである。私は彼を20年前から知ってるが、彼は恐ろしいほど女にモテていた。「そんなリア充男に、こんな腐女子の胸の内なんか、読まれたくないんじゃ~~!!」という心の叫び、みなさんに分かってもらえるだろうか。リア充が怖いのに、どうしてくれる。ちなみに、歴代のデスクとは電話やメールでのやりとりのみだったので男前かどうかは分からない。

 そして表題作が、百貨店の化粧品売り場を舞台にした25歳の女性のステップアップストーリーだ。化粧品売り場……。ここ数年、メークをしたのは友人の結婚式と面接くらいという私にとって、恐怖のエリアだ。44歳のノーメーク女がイタイのは分かっているが、売り場の美しいお姉さんがたと自分との対比にいたたまれなくなる。あの売り場に立っている女性たちの気持ちが分かりたくて、表紙をみて手に取ったが、美容に興味のない私にも予想外に共感できたよ!

 派遣3年目、彼氏いない歴も3年目、というOA事務員かのこ。「そろそろヤバイ?」という危機感に襲われていたころに、化粧品の販売にあたる美容部員(ビューティー・アドバイザー、BA)の求人広告を見つける。派遣社員、映画は1人で、サブカル好き、女子力迷子。我が身を振り返って、かのこは「このままは怖い 変わらないと…… 変わらなきゃ負ける!!」と自らを奮い立たせて応募する。

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 そうして飛び込んだBAの世…

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