【解説】
 2010年4月に始まったこの「昔の新聞点検隊」、すでに9年目に入りましたが、残念ながら来月で終了することとなりました。長らくのご愛読、ありがとうございました。思いつきから始まった企画でしたが、このように長く続けられるとは思いませんでした。重ねてお礼申し上げます。

 最後を飾るにふさわしいネタを考えた時、ちょうど70年前のこの記事が真っ先に思い浮かびました。タイトルは「昭和百年の夢」。終戦から約2年半、1948(昭和23)年の新年連載です。昭和100年の世界を予想するという、希望とユーモアにあふれた内容のものです。挿絵も著名な漫画家に依頼してあり、力の入った企画だったことがうかがえます。

 今月に入り、「平成」もあと1年を切りました。来年の今ごろは、もう新しい元号になっています。「昭和」は、さらに遠くなりにけり、と昭和生まれの私はしんみりと思っていたのですが、昭和100年は2025年。7年後です。昭和と、来たる新元号時代をつなぐ意味も込めて、この新年連載を2回に分けて紹介していきたいと思います。

原文どおりに表記することを原則としますが、読みやすさの観点から

・漢字の旧字体は新字体に
・句点(。)を補った方がよいと思われる部分には1字分のスペース
・当時大文字の「ゃ」「ゅ」「っ」等の拗音(ようおん)、促音は小文字に

等の手を加えています。ご了承ください

広瀬 集(ひろせ・しゅう)

熊本県出身。就職氷河期世代。非正規の職を転々とした後、2006年にようやく入社。3年半の大阪本社勤務を経て、13年東京本社に復帰。ことばマガジン「昔の新聞点検隊」の言い出しっぺ。関心のある歴史ものやスポーツものを、同コーナーを中心に執筆中。