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デビュー5年目にして、すでに世界的な人気を集めていたビートルズ。いつかいつかと待たれていた武道館公演の日程が発表されたのは1966年の5月3日でした。以降連日のようにビートルズ関連のニュースが登場します。
「ドロボウ行脚の4少年、ビートルズ見たさに九州から上京」「ファンの家出目立つ、警視庁都内で一斉補導」……。公演みたさの若者たちの犯罪や問題行動が相次ぎました。ロックは「不良の音楽」とも言われた時代。当時のニュースからは、熱狂する若者へ向ける大人たちの冷ややかな視線も感じられます。武道の振興を目的につくられた武道館をロック公演に貸すことへの反発もありました。1994年に発行された日本武道館の30年史は「公演に会場を提供したことについて、いわれのない中傷も寄せられた」と振り返り、「一部の政治家や官庁の役人からは『ビートルズに貸したら国の補助金はもう武道館に出さない』などとすごまれた」との当時の事務局長の話を紹介しています。
そうした社会情勢の中、今回の記事ではビートルズ滞在中のファンの混乱を何としても抑えようとする警察の苦心の策が列挙されています。
では、記事を現代の目線でチェックしてみましょう。
「たかが歌うたいのために」……。冒頭からなんとも乱暴な言葉です。「むすめたちはあんなものになぜ夢中になるのか」と警察官のセリフが続きます。苦々しい思いが伝わる言葉ではありますが、歌手の人たちを見下しているようにも感じます。不快に思う人もいるかもしれません。ほかの表現にできないか、または削除できないか、聞いてみましょう。
原文どおりに表記することを原則としますが、読みやすさの観点から
・漢字の旧字体は新字体に
・句点(。)を補った方がよいと思われる部分には1字分のスペース
・当時大文字の「ゃ」「ゅ」「っ」等の拗音(ようおん)、促音は小文字に
等の手を加えています。ご了承ください