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このコーナーで眺めてきた朝日新聞の社内資料「統一基準漢字明朝書体帳」(第3版、1960年)は、四つの本社で共通して整備すべき漢字4000字を選び出し、活字の基準となる字形を示すことを目的として作られたものですが、巻末の「ローカル字」一覧には、そこからこぼれた、しかし地元では必要と判断された字が掲げられています。
「統一基準漢字明朝書体帳」第3版(1960年)p43
このページには「郡市名文字は選定字に含めた」と記されています。選定字というのは書体帳が整備対象として選んだ4000字のことです。つまり郡名や市名の字は書体帳の本編のほうに入っており、ローカル字に入った地名文字は町村名や字名などということを意味します。
このほか「中国、韓国などの要人名は次第に使用字がかわるのでローカル字扱いとした」とも注記されており、これに該当する字も複数見受けられます。
1969年生まれ。学生時代は中国文学を専攻。1993年に校閲記者として入社し、主に用字用語を担当。自社の表外漢字字体変更(2007年1月)にあたったほか、社外ではJIS漢字の策定・改正にも関わる。