春は異動の季節。転居を伴う配置換えがあった方もいらっしゃることでしょう。筆者も北海道から3年ぶりに東京に戻り、再び校閲記者として記事に向き合う日々を送っています。

 転勤は働き方や暮らしに大きく影響するもの。転勤シーズンには「家族と一緒に引っ越すのか、単身赴任をするのか」という話題が周囲でよく聞かれました。仕事と家庭の両立をめざすワーク・ライフ・バランスが言われて久しいですが、共働きの夫婦が別居せざるを得なかったり、どちらかが希望する仕事をあきらめたりというケースが多いのも現実です。

 朝日新聞ではこの春、共働きの記者同士の夫婦が同じ地方総局に勤務する試みを始め、数組が赴任しています。同居して夫婦で子育てを分担しながら地方での記者生活を送れるように、という狙いがあります。「夜討ち・朝駆け」など、激務の代表のように言われる新聞記者の世界。そんなところでも、少しずつ働き方が変わりつつあるのを感じます。

松本 理恵子(まつもと・りえこ)

山口県生まれ、東京育ち。2008年入社、東京本社校閲センターで勤務。14年から3年間北海道報道センター。大学時代は合気道部だったが、入社してからは運動不足の日々をおくる。