先月末に放送されたNHK・Eテレの情報バラエティー番組「バリアフリー・バラエティー」(バリバラ)が話題になりました。他チャンネルでチャリティー番組「24時間テレビ39『愛は地球を救う』」(日本テレビ系)が放送されていた時間帯でもあり、インターネットでも盛んに取り上げられました。


 バリバラでは、豪州のジャーナリストで障害者の故ステラ・ヤングさんの「感動ポルノ」という言葉を紹介しました。「感動ポルノ」とは、障害者が感動や勇気を喚起するための道具として使われ、描かれることを指します。障害者の姿をメディアが報じる際の姿勢について一石を投じるもので、テレビだけでなく、新聞報道のあり方も問うものでした。

 下掲の「最近の記事から」でも紹介していますが、新聞でも障害者自身の活動や活躍が紙面に掲載されることがおおくあります。私たちも「障害のことを知って欲しい」「支援の一助になれば」といった思いで紙面化していますが、その一方で障害者を安易に取り上げて「物語」にして、「ポルノ」化し「消費」していないか。また、「障害者【なのに】頑張っている」という傲慢(ごうまん)なまなざしが裏に潜んでいないか。バリバラの放送は、障害者という当事者からの視点に改めて気付かされました。