(6月22日付朝刊に掲載した「ことばの広場」を再録しました)

 最近よく聞くLGBTという言葉。「性的少数者の総称」としばしば説明されます。

 Lは女性を好きになる女性を示す「レズビアン」、Gは男性を好きになる男性を示す「ゲイ」、Bは同性も異性も好きになる「バイセクシュアル」、Tは生まれた時の体の性別と違う性で生きる「トランスジェンダー」の頭文字です。

 1990年代に欧米で使われ始め、朝日新聞に初めて登場したのは2004年。米国の活動家の発言を引いたものでした。このころ日本ではほとんど知られておらず、07年に経済誌が特集を組み、13年に大阪市淀川区がLGBT支援宣言を出したころから広まりました。昨年東京都渋谷区の同性パートナーシップ条例が大きく報じられたこともあり、ここ1年で紙面での使用は約3倍に急増しています。

 性的少数者に関する企業研修などを行うNPO法人「虹色ダイバーシティ」の村木真紀代表は「『性的』という言葉を使うだけで企業では今でも警戒される。イメージのついていない新しい言葉が求められたのでは」と話します。