(3月16日付朝刊に掲載した「ことばの広場」を再録しました)

 4年に1度の米国大統領選は、民主、共和両党の候補者選びが山場を迎えています。候補者が決まれば、11月の本選に向けた戦いが始まります。

 大統領は、英語では「president」(プレジデント)。ラテン語の「前に座る(人)」が語源です。米国では1787年の憲法起草時に、行政府の長の名称としてこの名を初めて採用したとされます。

 英和辞典を見ると、大統領のほかに、会社の社長や議会などの議長、大学の学長などの訳語が挙げられています。どのような経緯で、日本語では元首としてのプレジデントに、大統領という訳語を当てるようになったのでしょうか。