(2月10日付朝刊に掲載した「ことばの広場」を再録しました)

 欧州を中心に今季も好成績を収めるスキー・ジャンプの葛西紀明選手。40代でも一線級の活躍に、数年前から海外メディアが驚きや敬意を込めて「レジェンド」と呼ぶようになりました。それが国内のメディアにも広がり、2014年には流行語大賞のトップテンに選ばれました。

 昨季限りで引退した、プロ野球の山本昌さんやサッカーの澤穂希さんも「レジェンド」とたたえられたように、日本では年齢を重ねても活躍し続ける選手を指す言葉として定着しつつあります。

 一方、英語では本来「伝説」という意味ですが、オックスフォード現代英英辞典(電子版)では「人々に称賛される、ある特定の分野で非常に有名な人」という転用も挙げています。年齢の高い人物を指すことが結果的に多くなるものの、必須の条件ではないようです。大リーグ公式サイトには、20代後半で渡米したイチロー選手を「かつてのパ・リーグのレジェンド」と呼ぶ記事もありました。