(10月7日付朝刊に掲載した「ことばの広場」を再録しました)

 「見える化」ということば、最近よく見かけませんか?

 例えば「何に時間を割いているかわかりやすく示す」意味で「時間の使い方を見える化する」などと用いられます。

 「三省堂国語辞典」第7版は、「ひと目でわかる形にあらわして、問題解決や業務の効率化に役立てる」という意味のほか、「情報をかくさず、何がおこなわれているかが、だれにもわかるようにする」という意味もある、としています。

 このことばについて、言語学が専門の加藤重広・北大大学院教授は「漢語につくことが多い接尾語『化』が、和語の『見える』についているのは珍しい。文法的には違和感があるかもしれないが、それがインパクトを生んでいる」といいます。