(6月17日付朝刊に掲載した「ことばの広場」を再録しました)

 「『正反対』のことを『真逆(まぎゃく)』と言うのを頻繁に聞くようになりました。朝日新聞ではあまり見かけない表現ですが」とのメールを広島市の歯科医師の男性(46)からいただきました。

 電話でお話をうかがうと、ラジオで20代くらいの出演者が使った「真逆」という言葉に、ベテランのアナウンサーが抵抗感もなく受け答えしていることに驚いたそうです。小4の次男に質問してみると「普通に使うよ。(30代の女性の)先生も授業で使っている」との答えが返ってきてさらに驚いたとのこと。「違和感がある言葉なので、私は使いたくないですね」

 2011年度に文化庁が実施した「国語に関する世論調査」があります。正反対のことを真逆と言うと答えた人は全体の22.1%でした。「言う」と答えた人は16~19歳で62.8%、20代で53.1%、30代で37.5%、40代で28.2%。50代になると2割を切り、さらに60歳以上は1割以下でした。