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2012年12月17日9時31分

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自民・石破幹事長は続投 元職大量復帰、派閥復権の危機

 16日夜の自民党本部の記者会見場。安倍晋三総裁ら党幹部は、ボードに並ぶ候補者名に笑顔で続々と赤いバラをつけた。その直前、石破茂幹事長と固く握手をした安倍氏は厳しい表情だった。地滑り的な大勝に、党幹部は高揚感を抑え、むしろ引き締めに躍起だ。

 安倍氏は16日夜、記者団に「民主党へのノーという声だ。自民党に対する厳しい目はそのまま続く」と語った。この日、人気の高い石破氏の幹事長続投を早々に決定。来夏の参院選も視野に、引き続き挙党態勢で政権運営に臨む考えだ。

 政権復帰を確実にした自民党にはハードルが待ち受ける。その筆頭は、膨らみすぎた自民党そのものだ。

 自民党は公示前の衆参合わせた200議席が一気に2倍近くになる。安倍氏が巨大与党の運営に手間取れば、官邸と党の足並みが整わず、政策を思うように進められなくなる。

 今回の大勝により、前回2009年の衆院選で落選した元職らが大量に復帰。弱体化した派閥が再び息を吹き返す可能性もある。安倍氏は脱派閥を目指し、党や政府の役職を党本部ですべて調整することを柱とする党改革案をまとめた。しかし、実効性は不透明。安倍氏周辺は「党を掌握するための側近が足りない」とこぼしており、派閥の影響力が強まってきそうだ。

 一方で、側近を重用する人事に踏み切れば、「お友達内閣」と批判された前回の首相時代の失敗を繰り返しかねない。安倍氏はフジテレビの番組で「前回は肩に力が入りすぎた。今度は重心を低くしていかないといけない」と述べた。

 「ねじれ国会」も乗り切らなければならない。参院の第1党は民主党が握り、多くの法案や国会同意人事で抵抗が予想される。自公両党は参院で否決された法案を衆院で再可決するのに必要な3分の2の議席数を獲得したが、再可決への世論の反発は強い。そこで安倍氏周辺は「参院民主から一本釣りをする」ともくろむ。民主党の一部や新党改革、無所属議員にも働きかけ、参院での多数派形成を図る構えだ。

 また、安倍氏は参院で11議席を持つみんなの党の渡辺喜美代表と経済政策で、3議席を持つ日本維新の会の石原慎太郎代表と憲法観などで考え方が近く、両党との連携も視野に入れる。

 来夏には参院選が控える。選挙戦中、安倍氏側近は「参院選までは予算だけでいい」と述べ、参院選までは安全運転を続ける考えを示した。ただ、今回の大勝が、改憲論などタカ派色の強い公約を掲げて戦った安倍氏の背中を押す可能性もある。自民党の閣僚経験者は懸念を隠さない。

 「安倍政権が調子に乗って政権運営を誤れば、参院選で大きな反動が起きる」

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