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2012年12月17日4時15分

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民主公約破綻、世論の離反招く 二大政党制、崖っぷち

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民主党開票センターで記者会見に臨む野田佳彦首相=16日午後11時20分、東京都港区、上田潤撮影

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民主党の開票センターで、候補者名が並ぶボード前に座る細野豪志政調会長=16日午後8時35分、東京都港区、仙波理撮影

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記者会見を終え、退場する野田佳彦首相=16日午後11時26分、東京都港区の民主党開票センター、矢木隆晴撮影

 3年3カ月間の政権運営を問われた民主党は、厳しい審判を下された。2003年の衆院選から掲げ続けたマニフェスト選挙は破綻(はたん)し、党内抗争を繰り返した末の分裂で、国民の信頼を完全に失った。政権交代可能な二大政党制は崖っぷちに立たされている。

 「政権交代を実現させた時の国民の熱い期待に応えることができなかった。厳しい評価が下されたと受け止めている」。党代表の野田佳彦首相は16日夜、都内のホテルであった記者会見で、こう敗因を語った。

 内閣支持率が2割を切り、当初から苦戦が予想された。衆院解散を明言した自民党の安倍晋三総裁との党首討論で自身のペースに持ち込んだが、国民はもはや民主党を見放していた。

 首相の政権運営は、消費増税を実現するために一貫して自公両党を頼った。その首相が選挙戦を通して自民党の世襲や公共事業重視の姿勢を攻撃しても、説得力を欠いた。「2030年代に原発稼働ゼロ」の訴えも、6月に原発再稼働を決めた首相の判断との矛盾を目立たせるだけだった。

 民主党不信の根は深い。野田政権が進めた政策はマニフェストにない環太平洋経済連携協定(TPP)と消費増税だった。これに反発した小沢一郎元代表ら計90人が離党。公約を実現できないことへの失望だけでなく、党内対立にみられるガバナンス(統治)のなさが世論の離反を招いた。

 壊滅的打撃を受けた党の顔を選ぶ作業は容易ではない。党内では細野豪志政調会長、前原誠司国家戦略相、岡田克也副総理らの名が挙がる。細野氏は16日夜、テレビ東京の番組で「民主党が何のために存在するかが厳しく問われている。もう一度、民主党のあり方を議論して再スタートする」と述べた。前原氏は同日夜、代表選について「何も考えていない。(議席が)確定してから仲間と相談し、党の立て直しをする。全員野球でやることが大切だ」と京都市内で記者団に語った。

 だが、幹部や閣僚ポストをたらい回しにした「メリーゴーラウンド」との批判は避けられず党再生に向けた新鮮さは見いだせない。

 多くの党重鎮やベテランが引退や落選したことで、傷ついた党をまとめ上げるのは難しい。参院議員の方が多くなるため、輿石東幹事長が選挙敗北の責任をとって辞任しても、参院議員会長として影響力を強める可能性がある。

 党の再起をかける来夏の参院選は「脱原発」など共闘できるテーマで野党勢力の結集を図れるかどうかも焦点となる。31の1人区の勝敗がカギを握る参院選で野党の選挙協力ができなければ、小選挙区で非自公勢力の票が分散した今回の二の舞いになりかねない。

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