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2012年12月4日17時3分

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選ぶ再生の針路 探す本気の政策 有権者の思いは

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原発事故に触れた演説を聴き、涙を流す女性=4日午前、福島県内、林敏行撮影

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駅前の街頭演説には多くの人たちが集まった=4日午前、東京都内、山本裕之撮影

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東日本大震災後初の衆院選。公示日の朝、仙台の仮設住宅前で候補者の第一声を聴く住民ら=4日午前、日吉健吾撮影

 政権交代選挙から3年4カ月。12もの主要政党が乱立する中、衆院選が4日に公示された。暮らしの足元では課題が山積みなのに、公約の違いは見えにくい。風をつかもうと走る候補者と、一票の重みと向き合う有権者の12日間が始まった。

■〈被災地〉真の生活再建を

 「被災者の真の生活再建につながる施策を実現できる政党に投票したい」。宮城県南三陸町の仮設住宅で妻と母と暮らす佐藤伸さん(57)はそう語る。

 津波で流された事務機器販売店を震災1カ月後に内陸で再開した。だが、パートを募集しても十分に集まらない。役場や漁協などが町の水準より高い賃金を支払って約700人を臨時に雇用したからだ。原資は国の復興予算。「震災前の時給では誰も応募しない」

 人手不足に悩まされ、少ない従業員の負担は重い。「被災地の実情に合わない国の施策で地元の会社が泣かされている」と感じる。

 ある政党は最近も生活物資を仮設住宅で配っていた。でも、物資は町外で調達したものばかり。町内の商店は続々と再開しているのに。「民間圧迫になるって気づいていない。被災地支援の実績をPRする候補って、あまり信用できないね」

■〈原発〉本当の思い届けて

 東京電力福島第一原発事故後、福島県双葉町から埼玉県加須市に避難した鵜沼友恵さん(37)は「私たちを本気で助けてくれる候補者を見極めたい」と話す。埼玉で故郷・福島の選挙区の候補に投票することになるが、「選挙どころではない」というのも本音だ。

 「みなし仮設」として入居した5階建てアパートはエレベーターがない。交通事故でけがをして入院中の夫が退院しても、迎え入れることができない。引っ越したいが、今の制度だと次は自己負担となる。

 一時帰宅のたび、原発から約3キロの自宅がぼろぼろになっていく。東電への賠償請求はしていない。一方的に押しつけられた金額に納得できないからだ。

 内部被曝(ひばく)の問題で福島県民を名乗りにくい空気を感じることもある。「補償問題だけではなく、私たちの本当の思いを届けてくれる人を選びたい」

■〈TPP〉農家が希望持てる政策を

 農業が盛んな茨城県鉾田市で主にミズナ栽培を手がける高田清治さん(41)は「どこが政権をとっても農家の暮らしが良くなるというイメージを持てない」。

 震災後、東京電力福島第一原発事故の影響でミズナなど葉物野菜が一時出荷停止に。風評被害は収まりつつあるが、ハウス暖房用の燃料代が急騰し、月に20万円かかる。消費者をつなぎとめるため、卸値を上げるわけにはいかない。

 手厚い農業助成をしてきた自民党を支持してきた。前回は民主党に淡い期待を持ったが、裏切られた。環太平洋経済連携協定(TPP)参加による関税撤廃で外国から大量に野菜類も輸入される可能性がある。「太刀打ちできない」

 周囲で独自に販路開拓している農家はごく一部。資金繰りに窮する仲間もいる。「選挙戦では、農家が希望を持てる農業政策を競い合ってほしい」

■〈子育て〉安心して職場復帰したい

 横浜市港南区の契約社員林恵理さん(29)は昨年4月、長女を出産した。今年4月から職場復帰する予定だったが、応募した三つの保育所はどれも入れず、育児休暇を1年延ばした。

 育休の延長は1度だけ。「次に入れなければ、仕事を辞めなきゃいけないのかな」。娘が望めば、おけいこに通わせてあげたいし、きょうだいも欲しい。家族の将来を考えたら働きに出なければ、とも思う。

 一方で、娘ともっと一緒にいたい。「保育所を増やすだけでなく、子どもを産んでゆっくり休んでから、安心して仕事に復帰できるようになればいいのに」

 保育所増設や現金支給などは確かにありがたい。でも、政治家の訴えが目先のことばかりに見える。「先を見てくれる人がいい。大きく変えてくれる人か、地道に着実にやってくれる人か。そこはテレビを見ながら悩んでいるところです」

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