《群馬４区》「伝統」vs.「脱世襲」　元首相のお膝元

　「地域から日本再生の力を生み出す」。群馬４区の自民新顔、福田達夫氏（４５）は、引退した康夫元首相（７６）の長男。高崎市の神社での第一声に父の姿はなかった。祖父・赳夫元首相の初当選から６０年。３代にわたる後援会が当然のように動く。「伝統と文化みたいなもの」。選対幹部は世襲批判を意に介さない。

　民主新顔の青木和也氏は「世襲が続いていいのか。若さで打破する」。投票３日前に被選挙権がある２５歳になる。康夫氏と前回戦い、離党した未来前職の三宅雪子氏の元秘書。民主不戦敗の寸前に「脱世襲」を掲げる党本部が県連に擁立を厳命。事務所の電話は５日前に開通したばかりだ。

　新顔４氏が争う。維新の宮原田綾香氏（２８）は「民主も自民も統治機構改革に失敗した」と強調。共産の萩原貞夫氏（６３）は「政治家の組み合わせで主張が変わる」と新党も批判する。