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TPP、支援構図にねじれ 県農政連、野党候補を推薦 山形選挙区

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山形選挙区の候補者の決起集会=16日、山形市内

 【遠藤隆史、西尾邦明】参院選の山形選挙区(改選数1)で、与野党が「農業票」をめぐり激しい選挙戦を繰り広げている。発端は安倍政権の環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加表明。反TPPを掲げる野党候補を単独推薦した農業団体に、自民は対抗措置もちらつかせている。

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 「TPPを断じて許すわけにはいかない」。16日、山形市で開かれたみどりの風現職の舟山康江氏(47)の決起集会で、JA山形中央会の長沢豊会長が声をあげた。舟山氏も「自然豊かな地域社会がつぶされてはならない」と訴えた。

 JAの政治団体の全国農政連は、比例区では自民から組織内候補を擁立する。だが、山形県農政連は安倍政権が3月にTPP交渉への参加を表明すると猛反発。5月に舟山氏の推薦を決め、自民新顔の大沼瑞穂氏(34)の依頼を断った。昨年の衆院選で自民候補を支援したJA幹部は「自民に裏切られた」と憤る。

 6年前に民主で当選した舟山氏は、TPP反対などを訴え昨年離党。ただ今回は、候補の擁立を断念した民主県連や連合山形に加え、吉村美栄子知事の後援会の支援も取り付けた。「我々は輸出産業。TPPを進めなければ立ちゆかない」という電機連合など一部労組は自主投票となるが、陣営幹部は「地方の意地を見せたい」と話す。

 一方、建設や医療業界などの業界団体の支援を固める大沼氏の陣営は、農業票の影響力に危機感を抱く。

 2007年の参院選比例区で、全国農政連の組織内候補は県内で8千票余りを獲得し、自民候補で最多だった。遠藤利明・県連会長は6月の選対会議後、県農政連について「選挙後に組織的な陳情を受けるのは難しくなる」と牽制(けんせい)したが、県農政連は一蹴した。

■自民、農家引き留めに躍起

 13日、山形市を訪れた安倍晋三首相は「日本の農業は断固として守る。農家の収入を10年間で倍増させる」と訴えた。大沼氏も「厳しい選挙戦。どうか支援を」と呼びかけた。

 自民は農家のつなぎとめに必死だ。林芳正農水相ら閣僚や党幹部が山形入りして農家を回る。13日の選対会議では、県連幹部が支部幹部に「(重要農作物への関税という)聖域が守られなければ交渉脱退も辞さない、と党の立場を農家に説明して歩くように」とはっぱをかけた。陣営幹部は「県農政連の支援で躍進した昨年の衆院選とはまるで構図が違う」と話す。

 同選挙区では共産新顔の太田俊男氏(59)も「TPP交渉参加を断固阻止し農業を守る」と訴えている。

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