ロンドン五輪の米選手団のユニホーム一式が中国製であることが明らかになり、米議員らは「米国の製造業の雇用が中国に奪われている」と猛反発している。こうした声を受け、デザインした著名デザイナーのラルフ・ローレン氏は13日、2014年のソチ冬季五輪では米国製にする、と発表した。
ユニホームは星条旗の色を意識したもので、紺色のブレザーと白のパンツかスカート、紺地に赤と白を配したベレー帽など。すべてが中国製という。
民主党の上院院内総務、ハリー・リード氏は12日、記者会見で「五輪委員会は恥を知るべきだ。彼らはすべてのユニホームを集めて燃やし、やり直すべきだ」とまくし立てた。民主党のナンシー・ペロシ前下院議長も「選手は米国製を着るべきだ」と話した。AP通信によると、他の議員らも五輪委に撤回を求める手紙を出している。
背景には、米製造業が安い労働力を求めて中国に進出、「米国人の雇用が奪われて失業率が悪化している」という不満がある。ただ、27日の開幕を前に、今から米選手530人分を作り直す余裕はない。
AP通信によると、ローレン氏は2020年まで米五輪委と契約している。08年の北京夏季五輪も中国製のユニホームだったが、当時はさほど議論にならなかった。(ロサンゼルス=藤えりか)