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離れていても「ワンチーム」 被災した石川の野球部へ、仙台育英から

2024年4月22日16時39分

朝日新聞DIGITAL

 離れていても心はつながっている――。春季の北信越地区高校野球石川県大会(県高校野球連盟主催、朝日新聞社など後援)で21日、初戦に臨んだ飯田(珠洲市)のベンチにメッセージボードが飾られていた。書かれていた言葉は「ONE TEAM」。3月に交流した仙台育英(仙台市)からの贈り物だった。

 「飯田高校の皆様へ 共に乗り越えましょう」。学校から約140キロ離れた県立野球場(金沢市)でプレーする飯田の選手らを、虹が彩るそんなエールが後押しした。裏には仙台育英の須江航監督の「この夏一緒に戦おう」というメッセージも書かれていた。

 能登半島地震で被害を受けた飯田は、輪島(石川県輪島市)とともに3月27~29日、仙台育英の招待で宮城県に滞在。ホームステイしながら練習や試合を重ねた。

 この日、ボードを持って駆けつけた仙台育英の部員の保護者、武藤亮吾さん(51)は「これも何かの縁。遠くても気持ちは通じている」とスタンドで応援した。

 飯田の山田恵大主将は「人と人とのつながりを感じた」という。地震でグラウンドにひびが入り断水したが、全員がチームに戻ってきた。「自分たちを思ってくれる人たちへの感謝の気持ちがあるからだと思う」と話す。

 試合は負けた。ただ今年度就任した飯田の加瀬悠貴監督(33)は、「練習ができずプレーが硬くなるところもあったが、楽しんでくれたと思う」という。

 山田主将も「全員そろっての野球、楽しかった」。夏に向け、「プレーの実力もしっかり上げていく」と語った。(小崎瑶太)

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