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阪口慶三さん「甲子園で勝たせたい」「大垣日大を倒す」 現場に復帰

2024年4月3日10時00分

朝日新聞DIGITAL

 高校野球の名将が指導の現場に復帰する。2日、岐阜県関市の関商工高で記者会見に臨んだ阪口慶三さん(79)は、昨年末に大垣日大高の監督を体力面などを理由に退任したことについて、「すかっと辞めてはいなかった」と振り返り、「特別顧問」として、関商工高を甲子園出場に導くことに意欲を見せた。

 東邦高(愛知)OBの阪口さんは1967年、母校で監督をスタート。熱血指導で知られ、「鬼の阪口」と呼ばれた。甲子園では77年夏に準優勝、89年春には悲願の優勝を果たす。2005年からは大垣日大高で指導にあたり、07年春には準優勝して剛腕ぶりを見せつけた。

 だが昨年末、体力面などを理由に20年近く務めた同校監督を退任した。

 ただ、燃え尽きたわけではなかったという。「昨夏(の甲子園)は2回戦で負けた。最後ぐらいは甲子園で胴上げされて辞めてみたかった」

 そこで退任発表後、かつて大垣日大高の練習や試合を熱心に見学に来ていたという旧知の江崎大輔・関商工高監督(42)に連絡を取った。

 10年ほど前、阪口さんは江崎さんにこんな約束をしていた。「私が(監督を)辞めたとき、私の野球を全部教えましょう」

 電話で「江崎君、どこにいる。教えてあげる」と伝えた。江崎さんもすぐ阪口さんに会いに行き、「先生の野球を引き継がせていただけるのは僕しかいません」と訴えたという。

 阪口さんは、見学に来ていた江崎さんについて、「ノートを持ってきてどんどん書き込んでいた。ああ熱心だな、熱いな、と」。そして「絶対教えてやりたい。約束だ。電話せんならん」と決意したという。「息子のように思う。甲子園監督にしたい」

 江崎さんは阪口さんについて、「あこがれの人。学びたくて学びたくて。最高のタイミングで最高の人に教えていただける」と語った。

 この日、ユニホーム姿で会見に臨んだ阪口さん。「体力づくりから始める。打たないと勝てない。練習方法を変える必要がある」と話し、「この学校を甲子園で勝たせたい」。部員には、「先生と呼ばれる年じゃない」として、「おじいちゃんと呼べ」と呼びかけているという。

 今後は古巣と対戦する可能性もある。「関商工のベンチに入り、大垣日大を倒すため全力で戦う」と意気込んだ。(高原敦)

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