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タイプの違う下級生投手をリード 健大高崎主将「自分は脇役でいい」

2024年4月2日10時45分

朝日新聞DIGITAL

 第96回選抜高校野球大会で初優勝した健大高崎は、初戦から決勝までの全5試合を、佐藤龍月(りゅうが)(2年)と石垣元気(2年)の2人の継投で勝ちきった。左腕の佐藤、右腕の石垣とタイプの異なる2年生投手を引っ張ったのは、捕手で主将の箱山遥人(3年)だった。

 「2人は、投球スタイルも性格も全然違う。どうすればマウンドで力を発揮できるかを常に考えていた」。箱山はそう話す。

 エースの佐藤は、140キロを超える直球だけでなく、変化球の精度も抜群だ。中学時代は日本代表に選ばれるなど、大舞台での経験も申し分ない。箱山は「総合力が高い。こういう投手がチームを勝たせられる」と話す。

 一方で、投げたボールがショートバウンドしただけで、「すみません」と頭を下げにくるなど優しすぎる一面も。「気にするな。マウンドでは打者だけに集中しなきゃ」。大会前にはそう声をかけた。

 準決勝、決勝と先発した石垣は、直球で押す投球が持ち味。準決勝では150キロを記録した。「伸びしろがあり、将来もっと良くなる投手」。箱山はそう見ている。

 しかし、打者との駆け引きなどマウンドでの立ち振る舞いは経験不足を感じることもあった。だから、「自分のリードで石垣を引っ張る」と決めていた。報徳学園との決勝では、あえて変化球を多めに使うなどして石垣の良さを引き出し、相手に的を絞らせなかった。

 箱山は、「この2人の活躍なしで優勝はあり得なかった」と振り返る。「野球の主役は投手。捕手の自分は脇役でいいんです。年下の2人が力を発揮し、チームが勝てるのが一番うれしい」。今後も2人の後輩を引っ張るつもりだ。(吉村駿)

     ◇

 選抜大会で初優勝した健大高崎が1日、地元群馬県高崎市に凱旋(がいせん)した。JR高崎駅では多くの市民が出迎え、選手らに温かい声援と盛大な拍手が送られた。

 この日午後3時過ぎ、新幹線で高崎駅に到着した青柳博文監督や箱山遥人主将らは、高崎駅東口ペデストリアンデッキで開かれたセレモニーに参加した。

 青柳監督は「応援を励みに選手たちが正々堂々と戦ったおかげで優勝しました。これから練習を重ねて春夏連覇にチャレンジします」と、夏の大会に向けて決意を述べた。(角津栄一)

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