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神村学園、大阪桐蔭に惜敗 強打を誇る相手にひるまず「楽しめた」

2024年3月28日10時30分

朝日新聞DIGITAL

 兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開かれている第96回選抜高校野球大会(日本高野連・毎日新聞社主催、朝日新聞社後援)第8日の27日、第3試合で神村学園(鹿児島県いちき串木野市)は大阪桐蔭と対戦し、2―4で惜敗した。選抜初出場で準優勝した2005年春以来19年ぶりの準々決勝進出は果たせなかった。

 強豪・大阪桐蔭との2回戦で先発登板したのは、初戦に続いて野手と投手の「二刀流」をこなす左腕、上川床(かみかわとこ)勇希選手だった。

 昨年夏に利き手の中指を骨折してから長い間、公式戦でマウンドに立っていなかっただけに、作新学院との1回戦の先発を小田大介監督から聞かされた時は驚いた。4強入りした昨夏の甲子園では打撃で活躍したが、投手としては未経験の大舞台だ。「結構、緊張していた」と打ち明ける。

 しかし、序盤に味方打線が小刻みに加点し、六回途中までを2失点で切り抜けた。6安打を打たれたが、7奪三振でチームに勝利をもたらした。川下晃汰主将は「久しぶりの公式戦なのに、本当にいい粘りのピッチングをしてくれた」と振り返る。

 ここ一番という場面に強い精神力が持ち味だ。2回戦のこの日も朝に先発指名を受けたが、「監督の表情から(連投が)ありそうだ」と予感していた。投手陣には「強い気で攻めていく。ストライクゾーンの中で、自分の強いボールを投げて抑えていこう」と声をかけていたという。

 強打を誇る大阪桐蔭の打者21人に76球を投げ、被安打6、3失点。「失点はしたが、初回から自分の中ではいい球が投げられ、楽しめた」。走者を背負っても自分の間合いで投球できた。「相手にやられたら嫌だなと思うことを考えて、投球までの時間を長くしたり、牽制(けんせい)を2回連続で投げたりした」

 今大会は2試合で6打数1安打にとどまり、反省点も見つかったが「悔しいけれども、自分の中で(相手を)抑える余地というか糸口が見えた」と自身の成長を感じられた。

 「みんなで基本を見直して、また甲子園に帰ってきたい」(冨田悦央)

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