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投手への声がけは「1イニング1回」に 新ルールで探る野球の「間」

2024年3月26日19時58分

朝日新聞DIGITAL

 高校野球では、今大会から新基準の「低反発バット」が導入された。投手の「2段モーション」も解禁され、「野球が変わった」との声をよく聞く。

 もう一つ、新ルールがある。「投手への声がけ」だ。スムーズな試合進行を目的に、タイムの回数に制限が設けられた。高校野球特別規則に「内野手(捕手を含む)が投手のもとへ行ける回数を1イニングにつき1回1人だけとする」と明記された。

 その1回をいつ行くか。これが難しい。明豊の捕手・石田智能(ともよし)は一回にいきなり連打を浴び無死一、二塁となったところでマウンドに駆け寄った。だが、その後にピンチは広がり、2失点。「どの場面で行くべきか見極めないといけない。夏までに慣れていきたい」

 この試合、石田は計4回マウンドへ向かった。一方、無失点リレーを導いた健大高崎の捕手・箱山遥人は八回1死からの四球後に1度向かっただけ。好投する投手陣にテンポよく投げさせることを心がけた。

 野球はサッカーやラグビーのようにプレーが連続しない。1球ごとに、攻撃側と守備側の探り合いでもある。2年前の選抜で優勝した大阪桐蔭の捕手・松尾汐恩(しおん)(現DeNA)は「配球だけでなく、うまく『間』をとって投手の力を引き出すのも捕手の大事な役割」と語っていた。

 試合展開、投手の性格によっても「間」の取り方は変わる。1回のタイムでわずか数十秒。試合の行方を左右する貴重な時間だ。(山口裕起)

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