高森町立 高森東・高森中央小学校

熊本県高森町

災害の記憶、報道写真で思い出す ICT活用授業研究発表

熊本県の阿蘇地方にある高森町は、小中学校に電子黒板やタブレットパソコン、デジタル教科書などを導入し、ICT環境整備に積極的に取り組んでいます。2014年1月には、ICTを活用した授業研究発表会が町立高森中学校で開かれ、一部の公開授業で「フォー・スクール」が使われました。

電子黒板に映し出された九州北部豪雨の被害を伝える報道写真

研究発表会では、町内の4小中学校による五つの公開授業がありました。高森東小学校と高森中央小学校の6年生は社会の合同授業を実施。「わたしたちの生活と政治―災害から人々を守る」の単元で、12年7月の九州北部豪雨を題材に、災害復旧に向けた行政の連携した取り組みについて学習しました。

授業の冒頭で、被災した熊本県内の様子を伝える朝日新聞の写真が電子黒板に映し出されました。また、黒板にも同じ写真をプリントした紙を掲示します。杉聖也教諭(高森東小)は「2年前のことで忘れている部分もあるので、被害の大きさを再確認するためです」と、その狙いを説明しました。

テレビ会議システムで消防本部の職員と話す子どもたち

使われた写真が付く記事は、「フォー・スクール」で「熊本」「豪雨」などのキーワードから検索された記事から選んでいます。検索は国内4本社や地域面を含め、過去5年分が可能です。九州北部豪雨に関する同じ記事でも、地元の西部(福岡)本社版と、東京本社版や大阪本社版では、写真や記事の大きさや、掲載するページが違うことも分かります。

タブレットパソコンでインタビュー動画を視聴する

今回は、より伝わりやすくインパクトのある2枚を選択。河内航教諭(高森中央小)は「子どもたちが『おおっ』となって、授業の中で大きな効果がありました」。男子児童の一人は「豪雨の時に早めに集団下校したことを思い出した。改めて見るとやっぱり怖いです」と話していました。

授業では、テレビ会議システムを使い、町役場や消防本部の職員に、関係機関との連絡や調整、救助活動の経過などについて質疑応答を行いました。それぞれの機関の働きの違いを話し合って整理。さらに、各自のタブレットパソコンに取り込まれている熊本県や自衛隊、日本赤十字社の関係者へのインタビュー動画を視聴し、行政の働きについてワークシートにまとめました。

ICT活用授業研究発表会の会場となった高森町立高森中学校

「フォー・スクール」を授業で活用することについて、杉教諭は「子どもたち自らが目的意識を持って調べるという必要な力をつけることができる」。河内教諭も「学習意欲を高めて、視覚にも訴える動画が充実しているのはありがたい」と話していました。