檜枝岐村立 檜枝岐中学校

福島県檜枝岐村

社会に目向ける朝自習 記事選び、要約や意見も

 朝自習の時間に「フォー・スクール」を活用しているのは、福島県南西部の山あいにある檜枝岐(ひのえまた)村の村立中学校。村立小学校と共に、NTT東日本と教育ICT活用に関する協定を結び、電子黒板やタブレット端末を使った授業を展開しています。

3年生の教室には電子黒板も設置されている

「フォー・スクール」は2013年6月から使い始めました。新聞記事を読むことで社会に関心を持ち、読解力や表現力の向上を目指しています。また、県立高校の入試では、面接で興味がある最近のニュースについて聞かれることも多く、事実と意見を述べるためにも最適ということです。

朝自習は毎週金曜日の午前8時からの15分間。1〜3年生の23人が、興味のある記事を選択し、決められた用紙に記事の要約や自分の意見を書き込んでいくというスタイルです。

集中して選んだ記事をじっくり読む生徒たち

同年9月、朝自習をする3年生を取材しました。教室内には、生徒たちが文章を書く鉛筆の音だけが響いていました。タブレット端末を器用に操作しながら、30近くあるコンテンツの記事や、毎日3本ずつ掲載されるトップニュースなどから、自由に記事を選んで読み込みます。

この日、実際に生徒たちが選んでいたのは、人気コラム「天声人語」のほか、「ひと」「特派員メモ」「今さら聞けない+」といったコラム系記事、大きな被害をもたらした台風やホームラン記録が出たプロ野球の関連記事でした。

読む記事の指定はなく、自由に選ぶことができる

15分間では時間が足りず書ききれない場合は、休み時間や放課後を使ってまとめ提出します。時間をかけてじっくり取り組む生徒もいるそうです。

安田柳一教頭は「朝自習を始めて、生徒たちが社会問題に目を向けるようになったと感じています」と話します。8月にあった「人権作文コンテスト」では、生徒たちがイジメや虐待、妊娠中絶といったテーマを採り上げ、よりその印象が強まったそうです。

檜枝岐村立 檜枝岐中学校

普段は新聞を読む機会が少ないという3年生の女子生徒は、学校でタブレット端末で記事を読み、新聞に親しみを感じるようになったといいます。

印象に残っているのは、東日本大震災の被災者が住む仮設住宅の現状についての記事で、「県内の現実がすごくよく分かって、何かできることをしたいと思いました」。また、新聞記事をよく読むようになり、「社会への関心がわいて、記事の内容について考える時間が増えました」と話していました。