4月28日、イタリア・ペルージャの「国際ジャーナリズムフェスティバル」会場で、「データジャーナリズム・ハンドブック」オンライン版(英語)の公開が発表された。
全120ページ。ガーディアンのサイモン・ロジャーズさん(44)、ニューヨーク・タイムズのアロン・フィルホファーさん(46)など各国のジャーナリストら70人以上が協力し、データジャーナリズムの実践例などを持ち寄った。
「まずはどこから、どうやって始めればいいのか。ウェブ上に大量にあるノウハウやツール、実践例へのガイドとしてまとめたものです」。編集担当の一人で、ジャーナリスト研修機関「欧州ジャーナリズムセンター」のプロジェクトマネジャー、リリアナ・ボーネグルさん(27)は言う。
ハンドブックの執筆に参加したアリゾナ州立大学ウォルター・クロンカイト・ジャーナリズムスクール教授のスティーブ・ドイグさん(64)は、「コンピューター支援報道(CAR)」「プリシジョン(精密)ジャーナリズム」と呼ばれるコンピューターとデータを活用した調査報道を長らく手がけてきた第一人者。データジャーナリズムの源流となる取り組みだ。
ベトナム戦争従軍経験もあるベテランだが、パソコン革命の1980年代、コンピューターを取材に生かす可能性に気づいた。
マイアミ・ヘラルドの記者時代、ずさんな建築基準がハリケーン被害を増大させた実態をデータ分析などから解明し、93年にピュリツァー賞を受賞した。
「データジャーナリズムも従来の取り組みも、基本的にはそう違いはない。象徴的なエピソードで語ってきたニュースを、データで語らせるということだ」
この数年で扱う範囲は拡大してきた、ともドイグさんは言う。「かつては表作成ソフトでデータを分析するのが主だったが、今はそれを紙とウェブで魅力的に、双方向で見せ、読者もデータを吟味できる」
手法も進化し、そのための技術も幅広いものになったとドイグさん。「すべてのジャーナリストがそれらを全部習得する必要はない。だが最低限、マイクロソフトのエクセル(表作成ソフト)の使い方と基本的な数学の知識は理解しておかないと、取材先にいいようにあしらわれてしまう」
そしてジャーナリズムの未来をこう見通す。5年後、10年後には紙の新聞はなくなりアイパッドになっているかも知れない、と。
「だが世界は激変していて、それを伝えるジャーナリズムの役割はますます重要になっている。外に出て情報を集め、分析し、文脈を与え、読者に説明する。そんな作業はテクノロジーでは代替できないんだから」(平和博)
(詳報を月刊ジャーナリズム7月号に掲載します)
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データジャーナリズム・ハンドブック http://datajournalismhandbook.org/1.0/en/