(書評)『死刑について』 平野啓一郎〈著〉

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 ■廃止論へ移る思索の変遷たどる

 今から12年前、各国の死刑制度を取材したことがある。編集の段になって死刑の是非を巡り、部内で激しい議論になった。死刑はその人の奥深くにある価値観とつながり、それは容易に揺らぐものではないことを感じた出来事だった。

 それだけに、死刑の存置論者だった著者が、しだい…

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