(10代の君へ)これ!直感信じて大丈夫 ぺえさん

10代の君へ

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 これ、やってみたい! 小学5年生のとき、バレーボールのW杯をテレビで見て、そう直感しました。19歳だった「メグカナ」(栗原恵選手と大山加奈選手)が大活躍した大会です。

 すぐにチームに入りました。中3では県選抜男子のセッターとしてジュニアオリンピックに出場し、高校もバレー漬け。一つのことにあれほど打ち込めたのは本当によかった。たいていのことでは心が折れないのは、あの10代があったからです。

 いつも、丸刈りにジャージー姿。バレーから離れ、無縁だったものに挑戦してみたいと考えて出てきたのが、ファッションやメイクでした。大学を卒業する3月、ツイッターで原宿のアパレルショップを見つけ、ここだ、と。「メグカナ」を見た小5のときと同じ、直感でした。

 テレビで「ジェンダーフリーの謎のショップ店員」として取り上げられ、仕事の幅が広がりました。店員の仕事を本気でやった先に「いま」がある。目の前のことを全力でしていけば、「自分の正解」に出会えるのだと思っています。

 自分は男性が好きなのかも。そう感じ始めたのは、小5のころです。男性が「ファイト~!いっぱ~つ!」ってやっているCMを見て、「あれ?」って。

 家族にはなかなか言えませんでした。面と向かって両親と話したのは、初めてテレビに出た1年後。「私たちの幸せは、あなたが幸せでいること」と言ってくれて、救われました。

 LGBTへの理解は、まだ十分とはいえないのが現実。カミングアウトは、しなければならないものでもありません。自分で自分を認めるのも、周りに打ち明けるのも、タイミングは人それぞれでいいと思います。

 自分や将来に不安を感じている10代の子たちには「周りに流されず、直感を大切にして」と伝えたいです。失敗できるのは若者の特権だし、挫折が多いほうが輝ける。だから怖がらないで。何事も時間を重ねれば「笑い話」になるから、大丈夫。(聞き手・三島あずさ)

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 ぺえ タレント。1992年生まれ。山形県出身。2016年デビュー。NHK・Eテレの「#ジューダイ」でMCを務める。インスタグラムのフォロワーは約52万人。

 ■オススメの映画

 「かもめ食堂」(2006年)

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 最近また見たら印象が全然違った。ボーッと見ていられるのに、深みがある。数年後に見返して、印象の違いを味わう面白さもある映画です。

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