朝日新聞デジタル
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折々のことば
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「書く」ことから「虚栄」を引き去って何が残りうるか
(磯田光一)
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戦争が終わり何の「傷」も負わなかったはずのない文学者が、開き直り、人を揶揄(やゆ)し、時に道化めいたりしつつもついに誰一人筆を折らないと、苦々しい思いでやはり書いた文芸批評家・伊藤整。その述懐を引きとるかのように…