「A-port」では、国連の持続可能な開発目標(SDGs)をテーマにしたページ(https://a-port.asahi.com/SDGs/別ウインドウで開きます)を開設しました。クラウドファンディングを通じて、社会貢献に取り組む団体への支援の輪を広げていくことを後押しします。

 ■被災地や子ども支援の団体、有識者が推薦

 SDGsのページでは、有識者の推薦する団体が順次、クラウドファンディングに挑戦します。推薦人の一人である村上財団代表理事の村上絢さんと、村上さんが推薦する4団体に取り組みについて聞きました。

 ――非営利団体を応援するのは、なぜですか?

 村上さん 本業は株式投資で、資金循環への問題意識がありました。非営利団体にきちんとお金が流れていないから、頑張っている団体が成長できない。なんとかしようと父(村上世彰さん)が2007年、チャリティープラットフォーム(チャリプラ)をつくりました。いろんな非営利団体がネットに出ていて、寄付をしたい人が見つけて寄付できる。クラウドファンディングの先駆けでした。A―portを通じて、いろんな方に寄付してもらえるといいなと思っています。

 ――村上さん推薦の4団体、公益社団法人Civic Force(シビックフォース)▽特定NPO法人キッズドア▽認定NPO法人3keys(スリーキーズ)▽認定NPO法人D×P(ディーピー)の活動について教えてください。

 シビックフォース・根木佳織事務局長 うちはチャリプラの災害部門が独立するような形で09年に立ち上がりました。企業には被災地を支援するいろんなリソース(資源)があり、この調整役になりたい。災害前から準備しておかないと、災害時に力が発揮できません。東日本大震災では1千社以上から支援をいただきましたが、これも仕組みがあったからだと思います。

 キッズドア・渡辺由美子理事長 親の所得が少ない層の子どもへの学習支援をしています。子どもが安心できる居場所をつくって、ご飯を出すこともしています。「日本におなかをすかしている子はいない」という人もいますが、実態を知ってほしいと思います。

 スリーキーズ・森山誉恵代表理事 児童養護施設などと連携して学習支援をしています。虐待などで保護された後、施設に行けば安心と思われがちですが、絵本を読んだり、買い物で小銭を数えたりといった経験がないと、長行の文章を読むこともできないし、数字の概念もない。基礎の基礎を習得して中学に進めるようにサポートしています。

 ディーピー・今井紀明理事長 高校中退者のサポートや高校生の就職支援をしています。今回は15~19歳が対象の海外スタディーツアーへの寄付を募ろうと思っています。13年から始めて、40人強を送り出しました。海外の大学に留学するなど、これをきっかけに動き出した生徒もいました。

 ――子ども支援の団体が多いですね。

 村上さん 私も2人の子どもがいます。日本では社会保障費の若年層にかける割合が少ない。今後の日本を考えるときに一番支援していかなくてはならない部分です。現状では一番お金が行き渡っていないので、そこに携わっていきたいと思います。(伊勢剛)

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 現在、スリーキーズが学習支援の拠点を増やすためにクラウドファンディングを実施中。詳細は、http://t.asahi.com/vstt別ウインドウで開きます

 5千円以上の支援は現金書留も可能です。電話03・6869・9001(平日午前10時~午後5時)にお問い合わせください。

 ■オンラインサロン 多彩なテーマ

 月額制の「オンラインサロン」も始まりました。活動の一部をご紹介します。

 ◆「堀潤が、伝わる話し方、お教えします。」http://t.asahi.com/vsf7別ウインドウで開きます

 ジャーナリストの堀潤さんのサロンは「話し方」がテーマだ。会議でのプレゼンテーション、人前で話すことへの苦手意識をなくす方法などについて、NHKアナウンサーだった堀さんがそのコツを伝授する。

 月1回開く講座はネットでも中継し、自宅からでも受講できる。

 「高校生ぐらいまで、しゃべるのが苦手でした。レストランに行っても、店員を呼び止めて注文できなかった」という堀さん。「NHKで培った技術、その後身に付けた技術を皆さんにしっかり還元します」

 ◆「あしたメディア研究会」http://t.asahi.com/vsfz別ウインドウで開きます

 朝日新聞社のウェブメディア「DANRO」の亀松太郎編集長が主宰するサロンは、メディア関係者を呼んだ勉強会を月1回程度開いている。初回ゲストは、ヤフーニュースの基礎を築いた奥村倫弘さん。奥村さんは「今はたくさんのメディアが生まれている。メディアは本当にもうからないのか」と問題提起した。

 亀松編集長は「弁護士ドットコム」など様々なメディアの運営に携わってきた。「メディア業界で働く人や関心がある人とともに『新しいメディアのあり方』を考えたい」

 ◆「リーマントラベラーサロン」http://t.asahi.com/vsgg別ウインドウで開きます

 平日は広告会社で働き、週末は世界中を旅する。自らを「リーマントラベラー」と呼ぶ東松寛文さんのサロンは「旅で人生、もっと楽しく!」がテーマだ。

 東松さんが旅にはまったのは、入社3年目のとき。米NBAのチケットが入手できたため、急きょ短い休みを取って観戦しにいったことでスイッチが入った。2016年には3カ月間で5大陸18カ国を巡り、「働きながら世界一周」を達成した。

 旅好きな人々と肩の力を抜いて付き合えるサロンを目指している。