(声)父が楽しみにしていたことは

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 無職 佐々木繁男(新潟県 68)

 父が51歳で亡くなって50年が経ち、時々生前のことを思い出す。

 父は出勤が早く、小学生だった私と弟が寝ている枕元に毎日、握った塩おむすびを置いていった。

 母は病弱で、長らく床にふせっていた。家の中は暗く、反動からか、私は近所の子らと日が落ちるまで外で遊んだ…

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