(科学の扉)次世代太陽電池 発電量・コスト巡り競争激化

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 普及が進んだシリコン太陽電池は、発明からすでに60年たつ技術だ。いま、これとは全く異なる材料や構造を使った次世代の太陽電池の開発が進んでいる。さらに発電量を増やしたり、発電コストを安くしたりするのが狙いだ。

 革新的な環境技術の開発で地球温暖化対策を目指すとして、政府が先月まとめた「エネルギー・環境イノベーション戦略」。その中で、将来の実用化が期待される2種類の次世代太陽電池が挙げられた。

 一つは「ペロブスカイト太陽電池」。桐蔭横浜大宮坂力教授らが2009年に発表した。米科学誌サイエンスが13年に10大科学成果に選ぶなど、太陽電池の世界でいま最も熱いテーマだ。

 名前の由来は、材料に使う特殊な結晶構造(ペロブスカイト構造)だ。太陽光のエネルギーを電気に変える変換効率は、最初3・8%だったが、今年3月には韓国チームが22・1%を報告した。研究段階の数字とはいえ、シリコン太陽電池に近い値だ。

 主なシリコン太陽電池は、シリコン(ケイ素)の結晶を薄く切って作るが、あまり薄いと割れてしまう。0・1~0・2ミリ程度の厚さが必要だ。

 一方、ペロブスカイト太陽電池は、薄さがその100分の1…

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