(人生の贈りもの)わたしの半生 ジャーナリスト・評論家、立花隆:1 75歳
■年をとる、世の中がよく見える
――近著「死はこわくない」(文芸春秋)は、脳科学や臨死体験の取材を通じてわかったことや自身のがんと心臓手術の経験が記されていますね。
女性を中心に60~70代の方に「ありがとうございました」と声をかけられることが多いです。「死はこわくない」ことが伝わったのだと思います。死はみなの関心事ですが、年齢を経るに従って、とらえ方が変わってきます。僕個人の感覚では、生身の自分と、近未来の自分の死との距離の違いからですね。
かつては老年になったら面白…
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