拡大する写真・図版愛媛県西条市の旧石鎚(いしづち)村に残っていた保育所の門柱と建物=2018年11月、浅原昭生さん提供

 さいたま市の浅原昭生さん(62)が、集落から人のいなくなった「廃村」と出会ったのは、約40年前のことだった。廃村に魅せられ、訪れた場所は全国で1千カ所を超えた。

 大学生のころ、新潟県内を旅した。地図には、海沿いに三つの集落が並んでいた。浜辺に沿って二つの集落を歩き、三つ目に足を踏み入れたはずだったが、家もなければ人もいない。

 自分の居場所を地図で確かめると、確かに「角海浜(かくみはま)」と集落名が書かれている。にもかかわらず、見つけられたのは浜辺の小屋と路傍の墓だけ。「知らぬ間に異世界に迷い込んでしまったような不思議な感覚」に包まれた。自宅に帰って調べると、原発建設計画が浮上し、全住民が移転した場所だったとわかった。

 社会人になってからしばらくは、趣味のツーリングの途中で何度か廃村を見つけては立ち寄る程度だった。

記事の後半では、浅原さんのまとめたリストから「廃村」が多かった道県とその数を紹介します。

廃校になった場所から「廃村」探る

 本格的に回り始めるようになっ…

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