ハラスメント認定受け、井俣町長が辞職願提出=米田怜央撮影

 職員に対するハラスメントの責任を問われていた愛知県東郷町の井俣憲治町長(57)=2期目=は25日、辞職することを明らかにした。記者会見では「町の未来、町民の幸せ、役場の職員が静かに仕事ができる環境を整えるため辞職を決断した」と理由を説明した。辞職願は24日夕に提出され、5月2日付で辞職する。

 同日午前、町議会の全員協議会で第三者委員会が提出した報告書について見解を示し、正式に辞意を表明。

 井俣町長はハラスメントへの認識について問われると、「自身の無知、不勉強を改めて恥じている。ハラスメントへの認識が足りていなかった」と述べた。また「幹部職員の大半は小中高校の同窓で甘えがあった」とふり返った。

 町が設置した第三者委員会は報告書で、職員108人に対するハラスメントを認定。「育児休業を1年取ったら殺すぞ」などと違法性のあるパワハラのほか、手術を控えた女性職員には「いつ巨乳になって帰ってくるの」といった悪質なセクハラもあった、と指摘した。

 一方、具体的な言動例を問われた井俣町長は「記憶にありません」「個別事案には答えられない」などと繰り返した。

 井俣町長は2018年5月に就任した。(松永佳伸)