受動喫煙の経験がある肺がん患者は、ない患者に比べがんを進行させる遺伝子変異が多く蓄積されていたとの研究結果を、国立がん研究センターなどのグループがまとめた。グループは、受動喫煙がこの変異を誘発し、がんになりやすくしている可能性を指摘。「肺がんを防ぐために受動喫煙を避けることの重要性を支持する結果」としている。

 これまで、受動喫煙は肺がんのリスクを高めるとされていたが、そのメカニズムについては明らかになっていなかった。

 研究グループは、女性の肺がん患者400人超を、喫煙者、非喫煙者で受動喫煙歴あり、受動喫煙歴なしの3グループに分けて、遺伝子変異の数を比べた。

 その結果、受動喫煙を経験した患者は、経験していなかった患者よりも肺がんの遺伝子変異の数が約1・12倍だった。

 さらに、変異数の多かった患者に絞って変異の特徴を詳しく調べたところ、喫煙者からは、たばこの発がん物質によって引き起こされる遺伝子変異が多く見つかったのに対し、受動喫煙歴のあった患者にその変異はごくまれにしかなかった。一方で、受動喫煙歴のあった患者は、がんの進行を促す「APOBEC型」という遺伝子変異が多く見つかった。

 研究グループは、受動喫煙によ…

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