阪神タイガースの中継などでおなじみの朝日放送テレビ・高野純一アナウンサーと、朝日新聞スポーツ部のトラ番・山口裕起記者が定期的に語る「虎バン主義。」。阪神は3カードを終えて4勝5敗の3位タイ。球団初の連覇へ向けて、開幕ダッシュとはなりませんでした。

 山口 東京ドームでの巨人との開幕3連戦は、2試合連続零封負け。開幕から25イニング連続無得点というセ・リーグ記録をつくってしまいました。

 高野 開幕から9連敗した一昨年の悪夢がよぎりました。このままずるずる行くかもと少し危惧しましたが、巨人との3戦目、ヤクルトとの初戦の接戦を勝てたことが大きかったように思います。

 山口 昨年は借金(負け越し)が一度もなく、リーグ優勝まで突っ走りましたからね。今年は岡田監督がここからどう立て直していくのか、とても楽しみです。一方で、開幕戦の先発メンバーは生え抜き選手のみで、これは1972年以来、52年ぶりでした。

 高野 森下翔太、大山悠輔、佐藤輝明の中軸3選手もドラフト1位トリオ。夢のある打線ですし、球団が描いていたものが現実となっています。ここまでの戦いぶりを見ていると、その中軸が打てば勝てるし、打てないと勝てない。すごくわかりやすいですよね。

 山口 2年目の森下選手、4年目の佐藤輝選手はともに打率1割台ながら、本塁打を2本ずつ放ちました。それがすべて試合を決める決勝アーチ。ここぞ、の場面で頼もしいです。

 高野 森下選手はリーグ2位の7打点と勝負強い。佐藤輝選手も十分勝利に貢献していますが、得点圏に走者を置いた好機で適時打や本塁打がもっと出れば、一皮むけて大打者になれるのではないでしょうか。期待しています。

 山口 それにしても、この2人はどんな状況でも、フルスイングという持ち味を出しています。それまで無安打でも、一振りで試合を決めてしまうから相手にとっては脅威でしょうね。ところで、開幕3カードは高野さんを球場で見かけませんでしたが、どこに隠れていたのでしょうか。

 高野 私はゴルフ中継、取材に行っておりましたが、テレビで阪神戦はしっかりチェックしていましたよ。いよいよシーズンが始まったなと、ワクワクしながら見ていました。やっぱり野球はおもしろい。甲子園球場での開幕戦となる9日の広島戦から現地に向かう予定です。