南米エクアドルの当局が5日夜、首都キトにあるメキシコ大使館に突入し、亡命を求めて保護されていたエクアドルのグラス元副大統領を拘束した。メキシコ側は在外公館の不可侵を定めたウィーン条約に抵触していると猛反発し、エクアドルとの国交を断絶すると発表した。

 地元メディアなどによると、エクアドル当局は5日午後10時過ぎ、メキシコ大使館に突入。汚職容疑などで逮捕状が出て昨年12月から大使館に避難していたグラス氏を拘束し、裁判所に連行した。AFP通信が配信した写真には、武装した特殊部隊員が大使館の壁をよじ登る様子などが写っている。

 メキシコのロペスオブラドール大統領は声明を発表し、「国際法、およびメキシコの主権に対する明白な違反だ」とエクアドルを激しく非難。国交を直ちに断絶するとした。バルセナ外相は、エクアドルを国際司法裁判所に提訴することも明らかにした。一方、エクアドル政府は「エクアドルは主権国家であり、いかなる犯罪者も自由にさせない」との声明を出した。

メキシコは5日朝に亡命許可

 グラス氏は2013~17年、…

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