旧ジャニーズ事務所(SMILE―UP.)からタレントのマネジメント業務などを引き継ぐ新会社「STARTO(スタート) ENTERTAINMENT(エンターテイメント)」の初の公演が10日にある。昨年、故ジャニー喜多川氏の性加害問題を受け、旧ジャニーズ事務所の所属タレントのCM・番組出演見合わせが相次いだが、今年に入り再開に踏み切るケースも出始めた。被害者への補償や新旧の会社での経営の分離など課題は山積しているのに、なぜなのか。

NHKの期待も民放は…

 「私たちの対応は間違っていないと思う」

 NHKは春の改編で、旧ジャニーズ事務所の所属タレントがMCなどで出演する8番組を終了させ、4月以降も新規の出演ゼロに。幹部の一人はこう言及した。

 稲葉延雄会長が重視するのは、視聴者への「アカウンタブル(説明可能)」だ。タレントのマネジメント業務や育成を担う新会社が、旧事務所から資本関係などで適切に分離できているのかどうか、いまだ新旧両会社から明確な説明がない状況下では、出演は認められないとの立場だ。「NHKの対応で、民放の対応も変わっていく期待もした」と幹部は語る。

NHKの狙い通りにはいかなかった。民放の姿勢を左右するスポンサー企業も、ここに来て対応が分かれ始めてきた。

 ただ、民放で4月以降も、所属タレントの新規番組起用の見送りを続けるのはテレビ東京のみ。3月の定例会見で石川一郎社長が「IP(知的財産)関連の扱いや新旧会社の資本関係など、まだわからないところがある」「被害補償の状況と含めて全体で見る必要がある」などと見合わせ継続を表明したのに対し、昨年11月に新番組の「レギュラー出演」に限り出演見合わせを表明していた日本テレビは、「補償や日テレが求めた改革プランについて、着実、確実に進捗(しんちょく)が認められるというところが、一つの担保になっている」(石沢顕社長)として、4月から所属タレントの主演ドラマを放送する。

 ほかのキー局は「タレントに罪はない」などとして起用を続ける。特にテレビ朝日は、メインキャストにスマイル社の所属タレントを起用したドラマを4月に4本放送予定だ。

 あるキー局員は「タレントが旧…

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