青森県は25日、大相撲春場所で110年ぶりに新入幕での優勝を果たした五所川原市出身の尊富士(たけるふじ)関(24)=本名・石岡弥輝也(みきや)=に、県褒賞を授与すると発表した。大相撲関係者では9人目。尊富士関の師匠にあたる伊勢ケ浜親方(当時は横綱旭富士)に1990年に授与されて以来となる。

 県は授与の理由として、「110年ぶりの新入幕優勝の快挙を成し遂げ、郷土に名誉と誇りをもたらし、県民に勇気と感動を与えた」としている。授与式の時期は未定。

 尊富士関は春場所初日から11連勝の快進撃を見せ、64年前の大鵬の記録に並んだ。23日の一番で右足首を痛めたものの、けがをおして出場。千秋楽まで土俵に上がり続け、13勝2敗で初優勝を成し遂げた。

 この活躍に対し、宮下宗一郎知事は24日、「多くの県民に希望と活力を与えてくれる。今後のさらなる飛躍を期待する」などとしたコメントを出した。

 また、五所川原市も25日、尊富士関の活躍に対して、新たに「市民栄誉賞」を創設し、贈呈することを決めたと発表した。(野田佑介)