拡大する写真・図版アンヌ・クレール・ブー副市長=JosephineBruede撮影=パリ市提供

 自分で育てることを望まなくとも安全に医療機関でお産ができる「匿名出産」に取り組むフランス。産むのか、産まないのか。女性が自身の性や生殖、体に関することを自分で決めることができる「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)」を保障する仕組みは幾重にも整備されている。

 拠点のひとつに位置づけられているのが保健センター(PMI)だ。

 フランスの保健センターは、妊娠中の女性や3歳までの子どもの健康、子育て相談などを担う。さらに保健センターの下部組織の性的健康センターではピルや緊急避妊薬、経口中絶薬などを無料、匿名で受け取れる。

 望まぬ妊娠に悩み、女性が誰にも相談できず孤立して出産するケースが絶えない。匿名出産など女性と子の命や権利を守るフランスの取り組みとは。日本で独自に母子を支援する慈恵病院の視察に同行しました。

 パリ北東部にあるセーヌ・サン…

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