K―POPの次はKミュージカルへ――。韓国のミュージカル人気が熱気を帯びている。人気を支えるのは、役者の歌唱力とオリジナル作品の多様さ。宝塚歌劇団や東宝でも、韓国ミュージカルを上演する動きが出てきた。(田部愛、守真弓)

 ソウル・大学路(テハンノ)で7月に上演していた人気ミュージカル「ザ・フィクション」。撮影が認められたカーテンコールが始まると、一眼カメラを持ったファンたちがシャッター音を響かせ、会場はK―POPコンサートのような興奮に包まれた。海外からのファンの姿も多い。

 「コロナが落ち着いた頃から外国ファンが急に増えた。アイドルがきっかけという方も多いです」。大学路で人気のミュージカル俳優パク・ハングンさんは言う。K―POPアイドルや俳優は兵役のために入隊すると、軍主催で一般向けに上演されるミュージカルに参加することも。それをきっかけに興味を持つ人もいて、韓国ミュージカルファンの裾野が広がっているのだという。「世代も多様で、最近は制服を着た中高生がアイドルがきっかけでミュージカルに目覚めたと話してくれました」とパクさんは言う。

 「悪霊狩猟団:カウンターズ」といったテレビドラマでも活躍するミュージカル俳優のユ・ジュンサンさんは、「ぼくが学生だった1990年代、韓国でミュージカルの人気はなかった」と振り返る。大学では演出を学んでいたが、途中でミュージカルに専攻を変えようとしたとき、周りから止められた。日本で「ミス・サイゴン」を観劇した時、当時の韓国にはなかったミュージカルへの熱気に興奮した。「でもいまは海外との差を感じなくなった。ブロードウェーからもたくさんの方々が来てくれて、注目が集まっていると感じます」

東宝も宝塚もアミューズも

 日本の会社が日本のキャストで韓国ミュージカルを上演する例も目立つようになった。

 「これまではニューヨークやロンドンを中心に、日本で上演できる作品を探してきた。そこに、いまは韓国が入ってきています」。東宝演劇部で上演作品のラインアップ編成を担当する山崎奈保子さんは話す。

 東宝では、2017年にホリプ…

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