(14日、秋季近畿地区高校野球大会大阪府予選3位決定戦、興国7―0桜宮)

 昭和に甲子園を経験した学校同士の古豪対決は興国に軍配が上がった。大阪府高校野球連盟によると、1978年以来となる秋の近畿大会出場だ。

 興国は第50回全国選手権大会(68年)を制したが、第57回大会(75年)に出場してからは春夏ともに甲子園から遠ざかった。

 2018年秋に、元プロ野球ロッテ外野手だった喜多隆志監督(43)が就任した。智弁和歌山の選手として第79回全国選手権大会(97年)で優勝し、慶応大を経て01年秋のドラフト1位でロッテに入団した。

 プロ野球の現役を退いてから母校の智弁和歌山でコーチも務めた喜多監督の経験をもってしても、大阪を勝ち上がるのは難しかった。21年夏は決勝で大阪桐蔭に惜敗して甲子園を目前で逃した。それでも「(大阪桐蔭や履正社という)壁を越えるにはどうすればいいか。考えながらやっていくことにやりがいを感じている」という。

 この日は足を積極的に使って攻めた。一回に先制の本塁を踏んだのは三塁前へのバント安打で出塁した中村大輝(2年)。四回はバント安打などで作った1死一、二塁から左飛で2人の走者が進塁。二、三塁から山口翔太朗(2年)の2点適時打を呼び込んだ。

 21日に開幕する近畿大会(大阪)の成績次第で監督に就任して初の甲子園が見えてくる。「周りの応援に応えるためにも、目標の甲子園を目指して頑張りたい」

 一方、桜宮は第54回選抜大会(1982年)以来の甲子園出場を目指すが、近畿大会出場にあと一歩届かなかった。(岡田健